荏原郡えばらごおり)” の例文
「たじたじだったね、お杉の親元が荏原郡えばらごおりにある、そちらとも相談してみるが、自分には異存はない、と云っていたよ」
荏原郡えばらごおりの馬込の郷に、そういう屋敷があるということは、以前チラリと耳にはしたが)
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
脩の長女花が三月十五日に六歳で歿した。三十七年には保が五月十五日に神田三崎町みさきちょう一番地に移った。三十八年には保が七月十三日に荏原郡えばらごおり品川町しながわちょう南品川百五十九番地に移った。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
市外荏原郡えばらごおり世田せたまち満行寺まんぎょうじという小さな寺がある。
榎物語 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
伊達家の下屋敷は、品川の宿しゅくを出はずれた荏原郡えばらごおり大井村おおいむらにある。その門前へ近づいたとき、駕籠舁かごかきが「旦那、伊達さまのお屋敷になにかありますぜ」
花も刀も (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
荏原郡えばらごおり馬込の里の、農家の離家はなれ主税ちからとあやめとが、夫婦のようにして暮らしていた。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
武州ぶしゅう荏原郡えばらごおり荏原村。円光山えんこうざん満行寺まんぎょうじ住職釈良乗しゃくりょうじょう書。
榎物語 (新字新仮名) / 永井荷風(著)