苅穂かりほ)” の例文
すなわち秋の田の苅穂かりほのいほも同じで、かりの建物たてものばかりに萱や藁、その他の不用品をつかっていたので、こんな名が今ものこっているのかと思う。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
建物の大きさからいっても、住心地すみごこちの上からいっても、また保存年限の長さから見ても、こういうのは、もうけっして苅穂かりほのいほではない。屑屋くずやどころか材料にえらい費用がかかっている。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
今でも年々あらたにする屋敷神やしきがみほこら、または山小屋や積み物の雨覆あまおおいなどは、たいていは藁の穂先ほさきのほうを外へ出すことにしている。あの秋の田の苅穂かりほのいほなども、多分はこれと同じかったろう。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)