芥溜はきだめ)” の例文
「あれ、芥溜はきだめをまた聞くよ。そんな事はあとにして、はやく困ってくれないと、暗くなる、寒くなる、さあ、こっちへおいで、さあ、」
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お嬢さんは、お手車か、それとも馬車かと考えますのが一式の心ゆかしで、こっちあ蚯蚓みみずみたように、芥溜はきだめをのたくッていましたんで。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
で、地獄の手曳てびきめ、急に衣紋繕えもんづくろいをして下りる。しばらくして上って来た年紀としわかい十六七が、……こりゃどうした、よく言う口だが芥溜はきだめに水仙です、鶴です。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「え、わっしは何、そこらの芥溜はきだめに居たんですがね。お嬢さんは?」
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)