舵手コクスン)” の例文
「サア、保君、君と僕とで漕ぐんだ。そして、つかれた方が哲雄君に代ってもらうんだ。哲雄君は舵手コクスンをやっておくれ。いいかい」
新宝島 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
私を悩ませたのは、檣頭横桁からあの静かな緑色をした水の中の舵手コクスンの死体のそばへ落ちはしまいかという、心に抱いている恐怖であった。
また、舵手コクスンのイズレール・ハンズは注意深い、狡猾な、老練な、経験のある海員で、まさかの時にはほとんど何でもまかすことが出来る男だった。
舵手コクスンの前にうずくまっていた犬が、このさわぎにおびえて、悲しい声で吠えはじめました。
新宝島 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
その間に、大地主と船長とは甲板にとどまり、船長は舵手コクスンに声をかけた。船に残っている者の中の頭立かしらだった男なのである。
舵手コクスンの哲雄君が、けげんらしく叫びました。
新宝島 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)