舵取かじと)” の例文
この漕ぎ手に白羽の矢が立ったのは、鰹船かつおぶねで鍛え上げた三上と、舵取かじとりの小倉とであった。三上は低能であった。小倉はおとなしかった。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
いっぽう、忠義者のヨハネスは舵取かじとりのところにのこっていて、船をりくからはなすようにいいつけました。
舵取かじとりを除いた、水夫五人と、おもてのコックが一人ひとりと、ストキとが寝るようにできていて、その中央に、テーブルと、ベンチとが作りつけてあった。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
「それはいいだろう」で、本部は三畳敷きに足りない舵取かじとりの室を第一の候補地にした。コーターマスターがはいらなかったら「おもてでいいさ」ということになった。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)