舞衣まいぎぬ)” の例文
その瀟洒しょうしゃ風采ふうさいは、あたかも古武士がよろいを取って投懸けたごとく、白拍子が舞衣まいぎぬまとうたごとく、自家の特色を発揮してあまりあるものであった。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お春は静かに次のへと退ったがしばしして、秋の空を思えとや、紫紺に金糸銀糸きんしぎんしもて七そうを縫った舞衣まいぎぬを投げかけ金扇きんせんかざして現われました。
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
世間でも長二という名人のあった事を知っている者がすくのうございますから、残念でもありますし、又先頃弁じました名人くらべのうち錦の舞衣まいぎぬにも申述べた通り
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)