至当あたりまえ)” の例文
旧字:至當
「人の気を知らねえにも程がある」と源は怒気を含んで、舌なめずりをして、「何が可笑おかしい。気の毒に思うのが至当あたりまえじゃねえか」
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そしてもし心の内に、美しい文字や流行の文句を使ってみたいから書こうとしたのだと心づいたら、それは一行の文章を成さなかったのが至当あたりまえなのである。
文章を作る人々の根本用意 (新字新仮名) / 小川未明(著)
人格の相違は女を良人が屈従させ得た時代ならば知らぬ事、多少でも教育を受けた今日の男女間では離婚の結果に立ちいたるのが至当あたりまえであろうと存じます。
離婚について (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)