“膿盆”の読み方と例文
読み方割合
のうぼん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
僕は時々暴君になつて大勢おほぜい男女なんによ獅子ししや虎に食はせて見たいと思ふことがある。が、膿盆のうぼんの中に落ちた血だらけのガアゼを見ただけでも、肉体的に忽ち不快になつてしまふ。
僕は (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
森はひょろひょろと蹌踉よろめきながら後ずさりし、膿盆のうぼんのような海は時々ねたまし気な視線をギラリとなげかける。やがて、けちくさいまだらなあくたと化した地球は、だんだんに遠ざかって行く——。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
膿盆のうぼんの血だらけのガーゼよ
死の淵より (新字新仮名) / 高見順(著)