“膿盤”の読み方と例文
読み方割合
のうばん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そうしてと通り繃帯の下を見まわると、看護婦がさし出した膿盤のうばんを押し退けながら、私の顔を見て、女のようにニッコリした。
一足お先に (新字新仮名) / 夢野久作(著)
木魚のおじいさんが助手で、膿盤のうばんは幾個もとりかえられた。強い消毒薬のかざは流れてきたが父の苦痛はすこしもれず、よくこらえている様子だった。私はハラハラした。
暫くして妹は箱の上に薬、膿盤のうばんなどを載せ、張子の浅き籠に繃帯木綿、油紙、綿などを一しよに載せ持ち来る。母はガラス戸に窓掛をおおひ、襖をことごとくしめきりて去る。これより繃帯に取りかかるなり。
明治卅三年十月十五日記事 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)