腐水ふすい)” の例文
そう努めれば努めるほど、何たる愚痴、心は綿々めんめんと、声なき独り言を、腐水ふすいの泡つぶのようにつぶやいてまない。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ゆうべからまだ解決を見ない苦悩と困憊こんぱいのいろを、古池の腐水ふすいのようにたたえたままでいるこの評定の間の人々にも、もちろん一半の責任はある事だった。いや主家の滅亡は自分たちの滅亡でもある。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)