脚絆掛きゃはんがけ)” の例文
それでも汗の出るまで、脚絆掛きゃはんがけで、すたすた来ると、かすかに城が見えて来た。城の方にな、可厭いやな色の雲が出ていたには出ていたよ——この風になったんだろう。
朱日記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
三尺帯さんじゃくおび手拭てぬぐいを肩にした近所の若衆わかいしゅ稽古本けいこぼん抱えた娘の姿に振向き、菅笠すげがさ脚絆掛きゃはんがけの田舎者は見返る商家のきん看板に驚嘆の眼をみはって行くと、その建続たちつづく屋根の海を越えては二
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)