脊髄病せきずいびょう)” の例文
それで私はもっぱら、脊髄病せきずいびょうで幼児よりほとんど不具者となっている私の従妹いとこと語り、慰めることによって日を送りました。
青春の息の痕 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
明治になっては子規しきと云う男が脊髄病せきずいびょうわずらって糸瓜へちまの水を取った。貧に誇る風流は今日こんにちに至っても尽きぬ。ただ小野さんはこれをいやしとする。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
悲しい事にはこの四郎はその後まもなく脊髄病せきずいびょうにかかって、不具かたわ同様の命を二三年保っていたそうですが、死にました。そして私は、その墓がどこにあるかも今では知りません。
あの時分 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
道太は子供が脊髄病せきずいびょうのために、たぶん片方の脚が利かないであろうことを聞き知って、心を痛めていたので、今ふみ江の抱いている子供のぽちゃぽちゃ肥った顔を見ると、いっそう暗い気持になって
挿話 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
とても助からないという事だけは、脊髄病せきずいびょうという名前からして、とうに承知していたようなものの、改まってそういわれて見ると、健三も急に気の毒になった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「御縫さんが脊髄病せきずいびょうなんだそうだ」
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)