胡麻鹽ごましほ)” の例文
新字:胡麻塩
四十六といふにしては恐ろしく老けて、胡麻鹽ごましほ頭を振りながら、口をポカリと開いて、何んの反應もなく二人の美女を眺めて居ります。
胡麻鹽ごましほ腮鬚あごひげの長い受付の老爺おやぢの顏を、半圓形の硝子窓の中に、覗きカラクリのやうに見て、右へ曲つて行くと、白い壁の長い廊下が續いて、其の片側には、下駄箱を横にしたやうに
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
死にかけてゐる父親の胡麻鹽ごましほたぶさを取つて、ゆすぶり加減にグワツと睨んだ、金之助の顏は、男姿ながら、鬼女そのまゝの物凄ものすごさだつたのです。
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
總髮にした胡麻鹽ごましほ頭、まだ皺も寄らない逞しい身體と、微笑を湛へた柔和な顏、何んとなく人好きのする中年者で、身扮みなりも折目正しく、一本差した腰も輕く、顏見知りの八五郎にまで
徳庵先生は、鐵拐仙人てつかいせんにんのやうな長い息を吐くのです。慈姑くわゐの取手に山羊髯やぎひげ、それも胡麻鹽ごましほになつて、世に古りた姿ですが、昔は斯ういふ醫者が信用されました。平次が默つて後をうながすと
せこけて靜脈じやうみやくが浮いて、生きてゐるのが不思議なくらゐ、頭は胡麻鹽ごましほの虫食い、顏色は痙攣性けいれんせいの病氣の人によく見かける、鉛のやうな色で、落ちくぼんだ眼だけが、かつては帳場格子の中で
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
次郎右衞門は胡麻鹽ごましほになつた頭を掻き乍ら、打ちしをれた顏を擧げました。
久六は頑固らしく胡麻鹽ごましほ頭を振るのです。