胡見沢くるみざわ)” の例文
胡見沢くるみざわ御前ごぜんがあんなにおなりになると、お蘭さんという人はどうでしょう——足もとの明るいうちに真先に逃げてしまいました。
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「じゃ、このごろ来た新お代官の胡見沢くるみざわとかいうのが悪性あくしょうで、女と見たら手を出さずには置かないという話だから、そんなのに見込まれでもしたのかい」
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
その濁声は、充分の酒気を帯びているこの邸の主人、すなわち新お代官の胡見沢くるみざわであることは申すまでもない。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
これは高山の新お代官胡見沢くるみざわ愛妾あいしょうお蘭どののお手元金であったのを、がんりきの百というやくざ野郎がちょろまかして来て、それをこの芸妓の福松に預けて
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ちょうどその日、代官の屋敷では新お代官の胡見沢くるみざわが、愛妾のお蘭の方と雪見の宴を催しておりました。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
代官の胡見沢くるみざわが百姓をしぼって淫婦お蘭に入れ揚げた金だから、それが偶然の機会で福松の手に落ちたのは、すなわち授かり物であって、お金のためから言っても
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
早い話が、あの胡見沢くるみざわさ。あのくらい色が黒くて、デブで、しつこくって、助平で、ケチな男ってありゃしないが、でも、長いあいだつき合っているといいところもあってよ。
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
いわゆる「新お代官」の胡見沢くるみざわをつかまえても呼捨てであり、のみならず尾州家を呼ぶにも同じく呼捨てであり、談が長州、薩摩の大守のことに及ぶと、これらの大名をつかまえ
大菩薩峠:30 畜生谷の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
胡見沢くるみざわの助平お代官の悪口でも言ってやりましょうか」
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)