みゝしひ)” の例文
相覧の子を周覧ちかみと云つた。父は子を教ふるに意を用ゐなかつた。周覧は狭斜に出入し、悪疾に染まつてみゝしひになり、終に父にうとんぜられた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
さけびて魂等を驚かし、かれらにみゝしひならんことをねがはしめし鬼チェルベロのきたなき顏もまたかくのごとくなりき 三一—三三
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
かどよりも窓よりも、知らぬ人面を出せり。街の兩側なる敷石の上には、例の古衣、古かねなどべたるその間には見苦き子供遊べり。物買はずや、物賣らずやと呼ぶ聲は、我をみゝしひにせんとする如し。