而立じりつ)” の例文
ちなみに、小室君は当年三十歳、而立じりつというところだが、却って職を失って、新たにスタートを切り直す努力をしているのだった。
秀才養子鑑 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
いつまでもこのようなみじめな暮しを続けていては、わが立派な祖先に対しても申しわけが無い。乃公おれもそろそろ三十、而立じりつの秋だ。よし、ここは、一奮発して、大いなる声名を
竹青 (新字新仮名) / 太宰治(著)
もちろん人によっては而立じりつの年に至っても立ち得ず、不惑ふわくの年に至ってなお惑溺わくできの底にあり、知命ちめいの年に焦燥して道を踏みはずし、耳順じじゅんの年に我意をもって人と争うこともあるであろう。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
たとえば、孔子さまは三十にして立ったから、お前達凡人も、所謂いわゆる而立じりつで、三十にして立たなければいけないというような註文をしている。些っと無理じゃなかろうか?」
ガラマサどん (新字新仮名) / 佐々木邦(著)