老込おいこ)” の例文
「おじさんなんか。まだまだそんなに老込おいこむ年じゃないわ。六十になっても、いやになるほど元気な人があってよ。」
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「人間、老込おいこんじゃ駄目だ。お前だって未だ婆さんという程でもない」
心のアンテナ (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
父は少し口髯くちひげが白くなったばかりで、あかがねのような顔色はますます輝き、頑丈な身体からだは年と共に若返って行くように見えましたが、母は私の留守に十年二十年も、一時に老込おいこんでしまいました。
監獄署の裏 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「そんなに老込おいこまなくても宜かろう。ところでなにか用かい?」
勝ち運負け運 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)