老爺じいや)” の例文
そこには榎本君と有名な金蔵老爺じいやというのが住んでいて、居士は昼間だけ其処そこに出張して、夜は本宅に寝泊まりしているのであった。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「そんなことなんでもないわ。親類の間柄ですもの、兄さんがお帰りの時、老爺じいやを呼んで来て、庭中の花を大きなかごへ折らせて、おぶわしてあげますから。」
嬰寧 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
今朝けさ老爺じいやが山から折って来ましたの。きれいでしょう。——でもこの雨風で山のはよっぽど散りましょうよ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
「強盗だ! 強盗だ! 早く老爺じいやを呼んで来い! 瑠璃子! 瑠璃子!」
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
奉公先はある大家の寮で、広い家に五十ぐらいの寮番の老爺じいやとその内儀かみさんがいるぎりで、少し寂しいとは思うけれども、田舎にくらべれば何でもない。
半七捕物帳:20 向島の寮 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
老爺じいや! 老爺! 早く来ておくれ! 泥棒! 泥棒!」
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
老爺じいやさん、まあんな乱暴なことをないで……。一体、どうしたの。」
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
名は六助といって、もう六十に近い巌乗らしい老爺じいやでした。
探偵夜話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「あら、老爺じいやさん。どうしたの。」
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)