老人おきな)” の例文
初め天皇、わざはひに逢ひて、逃げましし時に、その御かれひりし猪甘ゐかひ老人おきなぎたまひき。ここに求ぎ得て、喚び上げて、飛鳥河の河原に斬りて、みなそのやからどもの膝の筋を斷ちたまひき。
「げに親子の情二人が間におこらば源叔父が行末いくすえ楽しかるべし。紀州とても人の子なり、源叔父の帰り遅しとかどに待つようなりなば涙流すものは源叔父のみかは」つまなる老人おきな取繕とりつくろいげにいうも真意なきにあらず。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
ここにその御火燒みひたき老人おきな、御歌に續ぎて歌よみして曰ひしく