翻筋斗とんぼがへり)” の例文
旧字:飜筋斗
男に軍曹と呼ばるゝ猿あり。美しき軍服着て、熊の頭の上、脊の上などにて翻筋斗とんぼがへりす。われは面白さにこゝに止らむとおもふほどなりき。
不審ふしんさうに彼らが小さな主人公の顏を見かへりながら、張合もなく何時までも翻筋斗とんぼがへりをしてゐた事を思ひ出す。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
指はいつもの薪よりは容易たやすく切れて、いつもの薪と同じやうに翻筋斗とんぼがへりをして台の縁にあたつて土間に落ちた。指の痛をまだ感ぜないうちに、指の地に落ちた音が聞えた。