カゲ)” の例文
ほか/\した日よりなのに、ソレを見てゐると、どこか、薄ら寒く感じるほどである。時々に過ぎる雲のカゲりもなく、晴れきつた空だ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
なよびかな女性ニヨシヤウの語を聞かぬところに居て、ふつと掩ひかゝる心のカゲりを感じた時は、恐らく之に似た考へに逃避する外はなかつたであらう。
市村羽左衛門論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)