美土代町みとしろちょう)” の例文
天理教も大本教とおなじく、中山おみきさんという中国辺田舎のおばあさんが教主で、神田美土代町みとしろちょうに立派に殿堂をしゃにかまえてしまった。
神田美土代町みとしろちょうから数寄屋橋までの二線に過ぎず、市内の全線が今日のように完備したのは大正の初年である。
年賀郵便 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
けれどもただ眼の前に、美土代町みとしろちょうと小川町が、丁字ていじになって交叉している三つ角の雑沓ざっとうが入り乱れて映るだけで、これと云って成功をいざなうに足る上分別じょうふんべつは浮ばなかった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
今夜、美土代町みとしろちょうの青年会館に「社会思想講演会」の開かれることを。
「ここか、ここは神田美土代町みとしろちょうさ……」
泣虫小僧 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
敬太郎も二人のする通りを真似まねた。すると二人はまた美土代町みとしろちょうかどをこちらから反対の側へ渡った。敬太郎もつづいて同じ側へ渡った。二人はまた歩き出して南へ動いた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
これでよもやの懸念けねんもなくなったから、そろそろ元の位地に帰ろうというつもりで、彼は足のむきえにかかった途端とたんに、南から来た一台がぐるりと美土代町みとしろちょうの角を回転して
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)