繼母けいぼ)” の例文
新字:継母
ふ寶澤こたへて我は徳川無名丸むめいまると申す者なり繼母けいぼ讒言ざんげんにより斯は獨旅ひとりたびを致す者なり又其もとは何人にやとたづかへせば彼者かのもの芝原しばはらへ手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
一つは繼母けいぼを擧げた石原の利助への面當つらあてもあつたでせうが、兎に角、この時代には、こんな形式の捕物も決して珍らしくはなかつたのです。
その騷ぎがきこえない筈はないのに、娘のお玉と一緒に早寢をして、顏も見せてくれない、繼母けいぼのお春の仕打ちが、お粂には氣に入らなかつたのです。
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
先代の女房お倉——若主人の重太郎には繼母けいぼに當るこの女が、死んだ重太郎の側に寄り付かないのは一つの不思議です。やうやく自分の部屋に半病人のやうになつて居るのをさがし出して來ると
佐吉の眼は兎もすれば繼母けいぼの玉江と、下男の作松の面上に探り寄ります。
繼母けいぼの舌の動きが、あまりにも辛辣しんらつだつたのです。