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綻
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ほこ
ふりがな文庫
“
綻
(
ほこ
)” の例文
あれはごまかしです、あの衿は初めから
綻
(
ほこ
)
ろびていたんで、それを見たものですからちょいと鍔を鳴らして、だって御城代、衿の縫目を
半之助祝言
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
更に又、屍体の所々——両方の
掌
(
てのひら
)
、肩、下顎部、
肘
(
ひじ
)
等の露出個所には、無数の軽い
擦過傷
(
さっかしょう
)
が痛々しく残り、タオル地の寝巻にも二、三の
綻
(
ほこ
)
ろびが認められた。
デパートの絞刑吏
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
お春の頬は僅かに
綻
(
ほこ
)
ろびます。この女の聰明さは、妙なところまで觀察してゐるのでした。
銭形平次捕物控:221 晒し場は招く
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「じゃあ、
部屋
(
なか
)
へ入りなさい!」そう言うなり家政婦は、くるりと向うむきになって彼に背中を見せたが、その背中には何かの粉が一杯ついていて、少し下の方に大きな
綻
(
ほこ
)
ろびが出来ていた。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
杜陵
(
とりやう
)
を北へ僅かに五里のこの里、人は一日の間に往復致し候へど、春の歩みは年々一週が程を要し候。御地は早や南の枝に
大和心
(
やまとごころ
)
綻
(
ほこ
)
ろび初め候ふの由、満城
桜雲
(
あううん
)
の日も近かるべくと羨やみ上げ候。
渋民村より
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
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と、主人は生地の
綻
(
ほこ
)
ろびた私の上衣の裏に触ってみて
無駄骨
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
女は半分平次へかけて言つて、僅かに頬を
綻
(
ほこ
)
ろばせます。
銭形平次捕物控:081 受難の通人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
綻
常用漢字
中学
部首:⽷
14画
“綻”を含む語句
破綻
大破綻
漸綻
程綻