ほこ)” の例文
あれはごまかしです、あの衿は初めからろびていたんで、それを見たものですからちょいと鍔を鳴らして、だって御城代、衿の縫目を
半之助祝言 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
更に又、屍体の所々——両方の、肩、下顎部、等の露出個所には、無数の軽い擦過傷が痛々しく残り、タオル地の寝巻にも二、三のろびが認められた。
デパートの絞刑吏 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
お春の頬は僅かにろびます。この女の聰明さは、妙なところまで觀察してゐるのでした。
「じゃあ、部屋へ入りなさい!」そう言うなり家政婦は、くるりと向うむきになって彼に背中を見せたが、その背中には何かの粉が一杯ついていて、少し下の方に大きなろびが出来ていた。
杜陵を北へ僅かに五里のこの里、人は一日の間に往復致し候へど、春の歩みは年々一週が程を要し候。御地は早や南の枝に大和心ろび初め候ふの由、満城桜雲の日も近かるべくと羨やみ上げ候。
渋民村より (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
と、主人は生地のろびた私の上衣の裏に触ってみて
無駄骨 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
女は半分平次へかけて言つて、僅かに頬をろばせます。