細目さいもく)” の例文
嫂の話は父が座敷牢で暮した頃の細目さいもくを伝えたが、鈴木の姉はまた父の感情を伝えた。姉は最早家出をした夫と別れ住む頃であった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そのうちに一座のジョンスが最近ヨークシャーにおける銃猟の冒険談をはじめると、今度はボストンのトンプキンス氏が、人間の労働供給の原則を細目さいもくにわたって説明し始めた。
三浦は子供のような喜ばしさで、彼の日常生活の細目さいもくを根気よく書いてよこしました。
開化の良人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
かれはその服装に、若々しく晴れやかに見せるいろんな細目さいもくをつけ加えた。
日下ひのした無敵叡山えいざん流投げ槍の開祖。西塔さいとう小六対手あいて。=福野流体術金井一角対手=と記し、その下には、三本勝負一本どり金弐拾両、二本どり五拾両、三本どり百両などという細目さいもくしたためてある。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかしその細目さいもく詮議せんぎになると、木曾谷十一宿の宿役人仲間にも種々さまざまな議論がわいた。総管所からの「心得書付」にもあるように、当時宿場の継立てにはおよそ四つの場合がある。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)