“紙衾”の読み方と例文
読み方割合
かみぶすま100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
看板をかきかえるひまもない、まだ出たてだという、新しさより、一人旅の木賃宿に、かよわい女が紙衾かみぶすまの可哀さが見えた。
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
父の行綱は皺だらけになった紙衾かみぶすまを少し掻いやりながら、あしの穂綿のうすい蒲団の上に起き直った。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
いつも早起きのあの翁が日の高うなるまで戸をあけぬのを不審がって、近所のものが隙きまからそっと覗いてみたら、翁は紙衾かみぶすまから半身這い出して、両手にくうをつかんだままで……。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)