紊乱ぶんらん)” の例文
旧字:紊亂
讒臣ざんしんどもの策謀を恨んでいた。また、斎藤家の紊乱ぶんらんと主君の不明を嘆いてもいた。——が、どうしようもない。つめ腹を切らねばならぬ日が目に見えていた。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
藩政をここまで紊乱ぶんらんさせたのはかれらだ、まずかれらを除かない限り藩政改革の策は立たない。
初夜 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
応仁の乱以後、室町幕府の紊乱ぶんらんにつけこんで、京都に簇出そうしゅつした浪人くずれの無頼者ならずものの一団である。
剣の四君子:03 林崎甚助 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
内容はほぼわかっている、まえにもあったことで、政治の紊乱ぶんらんという名目で兵部を糾弾したものだ。ところが二人の国目付は、「こういうものを読むわけにはいかない」と拒んだ。
初めに涌谷さまは境論をもちだし、続いて家中の政治紊乱ぶんらんを訴えられるとのことです。
(白洲と、職能を、彼は私事わたくしごとに、紊乱ぶんらんさせてかえりみない)
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この悪弊をうちこわし、紊乱ぶんらんした藩政をたて直すのは当面に迫った問題である、その第一は汚職の老臣どもの譴責けんせきであるが、いままでのところ汚職の事実を明らかにする的確な証拠がない
落ち梅記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
家中紊乱ぶんらんという名目で、六十余万石は改易になるかもしれない。