粟飯あわめし)” の例文
黄色い粟飯あわめしが続いた。私は飯を食べるごとに、うまや聯想れんそうしなければならなかった。私は学校では、弁当を食べなかった。弁当の時間は唱歌室にはいってオルガンを鳴らした。
風琴と魚の町 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
粟飯あわめしも少しあるよ。泥鰌どじょうも、もうおとっさんに上げたから、喰べるなら、下げて来てやるよ」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
粟飯あわめしのパラパラなのを防ぐためにそれを小さなお握りにしたやつであった。
煙突 (新字新仮名) / 山川方夫(著)
粟飯あわめし 五八・八〇 四・九六 二・七三 三一・九七 〇・七六 〇・七九
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
しかし、今飛び出して来た姿を見ると、足にはいつもの馬子草鞋まごわらじ穿き、背中には、粟飯あわめしの弁当風呂敷を背負って、尻きり着物一枚、どう眺めても、侍の子ではない、蛙の子の旅立ちである。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
怜悧れいりな少年は奇遇を喜び、薪をくべ、粟飯あわめしながら夕餉ゆうげをもてなす。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
粟飯あわめしをたべ終ると、伊織は、武蔵の前へ一冊の書物を持って来て
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「貴人にあげて下さい」と、粟飯あわめしいて来た。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)