簿冊ぼさつ)” の例文
さて官事のいとまあるごとに、かねておおやけの許しをば得たりければ、ところの大学に入りて政治学を修めんと、名を簿冊ぼさつさせつ。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
……爺の左近は正成が見終った沢山な簿冊ぼさつを両手にかかえてひとまずそこをさがってきた。そして納戸なんどへむかって主屋おもやの大廊下をまがりかけると
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さて官事のいとまあるごとに、かねておほやけの許をば得たりければ、ところの大学に入りて政治学を修めむと、名を簿冊ぼさつに記させつ。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
爺が身をかわすまに、抱えていた簿冊ぼさつのあいだから、すばやい子供の手が、チラと彩色いろの見えた検見けみ絵図の一帖をさっと抜きとって、もう下でひろげだしていた。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
簿冊ぼさつに入れて、非常の際は、すぐ兵籍に加え得るようにしなければいけません
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、安間了現が、簿冊ぼさつを手に、入って来た。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)