筋金すじがね)” の例文
老人は、「若いうちは無茶もええが、筋金すじがねの通らん無茶は困るな。」と言った。「あすはわしが案内してええところを見せてやる。」
次郎物語:03 第三部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
風呂敷包のなかから南蛮鍜なんばんきたえの鎖帷子くさりかたびら筋金すじがねの入りたる鉢巻をして、藤四郎吉光とうしろうよしみつの一刀にせき兼元かねもと無銘摺むめいすり上げの差添さしぞえを差し、合口あいくちを一本呑んで
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
死にかかった馬だのを描いた恐ろしく長い銅版画はもう黄ばんでしまっているが、それは細い青銅の筋金すじがねを入れ、四隅よすみにもやはり青銅の円い座金ざがねをつけた
李は彼を引っくくらせて役所の前にひき据え、新たに作った筋金すじがね入りの杖で、その背中を三十回余も続けうちに撃ち据えさせた。それでも彼は死なないで無事に赦し還された。
「洒落たことを吐かすな。こう見えてもこんがら重兵衛の筋金すじがねからは火を吹くんだ!」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この視界拡大の運動において主観的な筋金すじがねの役目をつとめていたのは十字軍的な精神であったが、それは視界が拡大されるにつれて、単にイスラムに対する反撃運動という狭い立場から
鎖国:日本の悲劇 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
継いでくれることになると、小方は勿論、聯合組にも、筋金すじがねが入ることになる
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)