第一いっち)” の例文
座中では男のうち第一いっち年下の二十七で、少々わかわかしいのも気の弱そうに見えるのが、今夜の会には打ってつけたような野辺送りの帰りと云う。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「それじゃ堪忍してあげますから、今度はかくさないで有仰おっしゃいよ。あのね、坊ちゃんは毎晩いらっしゃいますが、何が第一いっちお気に入ったの。」
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「どうです、御承知だろうね、町内じゃあお前さんのうち第一いっち新顔だから、何かその辺にものでもあるように思われては迷惑、可うごすかい、分りましたろう。」
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)