竜紋りゅうもん)” の例文
授与式がどういう有様であったかは私は知る由もないが、受けた賞牌は竜紋りゅうもん賞であった。ところが、またその竜紋賞が好いのか悪いのかも師匠は知らない。
そんな日の午前あさ、紫の竜紋りゅうもんあわせ被衣ひふを脱いで、茶筌ちゃせんのさきを二ツに割っただけの、鬘下地かつらしたじった、面長おもながな、下ぶくれの、品の好い彼女は、好い恰好かっこうをした、高い鼻をうつむけて
市川九女八 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)