“空館”の読み方と例文
読み方割合
あきやかた100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一方の尊氏軍は都の西から入洛して、洞院とういん公賢きんかた空館あきやかたを、仮の本営とさだめていた。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その中へ過日来の兵庫からの凱旋軍が、何万となく入りこんで、各〻勝手だむろに、空地や空館あきやかたを占めてごッたがえしているし、日が暮れると婦女子は一人で歩けぬような戦勝の都である。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこは今は人もなき、旧足利直義ただよし空館あきやかたなのである。——船田ノ入道は、その前に兵をそろえて、三たびときの声をあげさせ、また、三すじの鏑矢かぶらやを邸内へ射込んだのち、中門の柱を切っておとした。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)