稲飯命いなひのみこと)” の例文
その和邇返らんとする時所佩みはかせ紐小刀ひもがたなを解いてその頸に付けて返したまいし故その一尋の和邇を今に佐比持神さひもちのかみというと見え、『書紀』に稲飯命いなひのみこと熊野海で暴風に
天皇は、これにくつし給ふことなく、紀州の南端を迂廻して、南方より大和へ入る作戦を敢行遊ばしたが、時利あらず、潮岬の颶風ぐふうに遭つて、皇兄稲飯命いなひのみこと三毛入野命みけいりぬのみことを失ひ給うた。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)