程遠ほどとお)” の例文
何事だか、まだ判らないけれど、とにかく帝都から、程遠ほどとおからぬ市川町附近へ、多数の特科とっか隊が、おびただしい材料をもって、集合を開始しているものらしい。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
もしそれが本当だとすれば、天下第一を目指す彼の望も、まだまだ前途ぜんと程遠ほどとおい訳である。
名人伝 (新字新仮名) / 中島敦(著)
斯様かような生活をして居る人間が、我々と同時代に、しかも帝都を去る程遠ほどとおからぬ田舎いなかに住んで居るという悲惨な事実を、ひしと一度は胸の底にめて見たら、公等の是から先の人生観の上に
前途ぜんと程遠ほどとおし、思いを雁山がんざんゆうべの雲にす」
芒塚すすきづか程遠ほどとおからじ守るべし
七百五十句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)