秋陽あきび)” の例文
秋陽あきびが森の中へさし込んでいる。木立がテラテラと輝いていた。ふとい一本の栗の木がある。その幹に何かうごめいている。老衰をしたかぶと虫である。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
昨日の雨の名殘りの水潦みづたまりが路の處々に行く人の姿々を映して居るが、空は手掌てのひら程の雲もなく美しく晴れ渡つて、透明な空氣を岩山の上の秋陽あきびがホカ/\と温めて居た。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
この 秋陽あきび、花 と 咲 け
秋の瞳 (新字旧仮名) / 八木重吉(著)