福神漬ふくじんづけ)” の例文
なかにも三四郎は腹のなかで、あの福神漬ふくじんづけかんのなかに、そんな装置がしてあるのだろうと、上京のさい、望遠鏡で驚かされた昔を思い出した。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
堀の山城屋という店で、塩か福神漬ふくじんづけつまみながら濁酒どぶろくとか焼酎しょうちゅうなどを飲み、ぐでぐでに酔ってから家へ帰るのであった。——裏長屋の柱も傾きかかった家には、妻と娘が二人いた。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
中からは福神漬ふくじんづけが出てゐます。
母子ホームの子供たち (新字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
其外にやすりと小刀ないふ襟飾えりかざりが一つ落ちてゐる。最後さいごむかふすみを見ると、三尺位の花崗石みかげいしの台の上に、福神漬ふくじんづけくわん程な込み入つた器械が乗せてある。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そのほかにやすりとナイフとえり飾りが一つ落ちている。最後に向こうのすみを見ると、三尺ぐらいの花崗石みかげいしの台の上に、福神漬ふくじんづけかんほどな複雑な器械が乗せてある。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この夏見た福神漬ふくじんづけかんと、望遠鏡が依然としてもとのとおりの位置に備えつけてあった。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)