硝子屑ガラスくず)” の例文
が、恐らく、それとカッキリ一分も違わない同じ時に、秩父丸の労働者が、何千マイルも離れた北の暗い海で、割れた硝子屑ガラスくずのように鋭い波と風に向って、死の戦いを戦っているのだ!
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
二人がもう席を立とうというときに一人の警官がまる小箱こばこをもって来て、これに何か見覚えがないかと差し出した。それは茶色の硝子屑ガラスくずのようなものであった。勿論もちろん二人には思いもよらぬ品物だった。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)