砂町すなまち)” の例文
今日の深川は西は大川の岸から、東は砂町すなまちの境に至るまで、一木一草もない。焼跡の空地に生えた雑草を除けば、目に映ずる青いものは一ツもない。
深川の散歩 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
セメントの大通は大横川を越えた後、更に東の方に走って十間川を横切り砂町すなまちの空地に突き入っている。
深川の散歩 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
わたくしが砂町すなまちの南端に残っている元八幡宮もとはちまんぐう古祠こし枯蘆かれあしのなかにたずね当てたのは全く偶然であった。始めからこれを尋ねようと思立って杖を曳いたのではない。
元八まん (新字新仮名) / 永井荷風(著)
来路らいろを顧ると、大島町おおじままちから砂町すなまちへつづく工場の建物と、人家の屋根とは、堤防と夕靄とに隠され、唯林立する煙突ばかりが、瓦斯ガスタンクと共に、今しも燦爛さんらんとして燃え立つ夕陽の空高く
放水路 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
砂町すなまちでは○元〆川○境川おんぼう堀。その他。
葛飾土産 (新字新仮名) / 永井荷風(著)