真寂まさび)” の例文
煉瓦れんがの塔の際に、これも又曇った雪ぞらのように真寂まさびしく張られてあった、風の激しい日で、風をはらんだ天幕のあしが、吹き上げられ、陰気な鳴りかぜが耳もとをかすめた、その隙間すきま
ヒッポドロム (新字新仮名) / 室生犀星(著)