直毘なおび)” の例文
多くの覇業はぎょうの虚偽、国家の争奪、権謀と術数と巧知、制度と道徳の仮面なぞが、この『直毘なおびみたま』に笑ってある。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
直毘なおび(直び)とはおのずからな働きを示した古い言葉で、その力はよく直くし、よく健やかにし、よく破り、よく改めるをいう。国学者の身震いはそこから生まれて来ている。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それを笑うために出て来た人があの大人だ。大人が古代の探求から見つけて来たものは、「直毘なおびみたま」の精神で、その言うところをつづめて見ると、「自然おのずからに帰れ」と教えたことになる。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
まくらもとには本居宣長の遺著『直毘なおびみたま』が置いてある。彼はそれを開いた。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
まがごととみそなはせなば事ごとに直毘なおび御神みかみ直したびてな
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)