盲者もうじゃ)” の例文
しかるに、いま自分の傍を離れて、かえって、見も知りもせぬ、あの奇怪極まる盲者もうじゃの傍へ神妙にはべっているムクの心が知れない。
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
数十年の大乱をただよそにしているしかなかった無明むみょう世界の盲者もうじゃたちには、どんなふうに、その目あきの世界がうつっていたか、考えられていたか
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)