盆蓙ぼんござ)” の例文
と、眼を血走らせているのは袁彦道えんげんどうの胴元、盆蓙ぼんござの周りには、十四、五人の男が、同じように、生唾なまつばを呑んで、よからぬなぐさみに夢中のてい
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ただ、せっかくのお角さんの清興の席の前へ、右の一団のならず者、よた者が集まって、盆蓙ぼんござを敷いてしまったことだけは眼前の事実です。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「そうさ、勝負は、いずれその中、盆蓙ぼんござの上でするとしよう」
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
お角さん一行が、急に毛氈もうせんを巻いてこの場を引払うと、南京バクチの一行が、つづいてまた盆蓙ぼんござを引払って、一かたまりになって、ぶらりぶらりとお角さんの一行のあとをついて来る様子です。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
この時分になって、ようやくこの場へのさばり着いて、そうして、着くと早々、お角さんの方へいやな眼をつかって、キザな笑い方をしながら、またもその鼻っ先へ盆蓙ぼんござを敷いてしまいました。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)