白絖しろぎぬ)” の例文
白絖しろぎぬ玉帯ぎょくたいへ、血しおを以て詔詞みことのりを書かれ、伏皇后にお命じあって、それに紫錦しきんの裏をかさね、針の目もこまかに玉帯のしんに縫いこんでしまわれた。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
玉帯の中の白絖しろぎぬの芯が微かにうかがえたのである。それだけならよいが、白絖には、血らしいものがにじんでいる。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
血で書いた白絖しろぎぬの文のうちに「朕」という文字がふと眼にうつった。王子服が、はっとしたとたんに、董承は、誰やら背後うしろに人のいる気はいを感じて、何気なく振向いた。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)