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癆症
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ろうしょう
ふりがな文庫
“
癆症
(
ろうしょう
)” の例文
「三河町の半分は持っているだろうという大地主ですよ。その吉田屋の総領の彦次郎という好い息子が
癆症
(
ろうしょう
)
で死んだのは去年の暮だ——もう半歳になりますね」
銭形平次捕物控:182 尼が紅
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いい
包
(
パオ
)
だ。全くいい
包
(
パオ
)
だ。ああいう熱い奴を食べれば、ああいう血饅頭はどんな
癆症
(
ろうしょう
)
にもきく」
薬
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
……今で言えば肺病でござりますが、其の頃は
癆症
(
ろうしょう
)
と申しました、
寝衣姿
(
ねまきすがた
)
で、
扱帯
(
しごき
)
を乳の
辺
(
あたり
)
まで固く締めて、縁先まで
立出
(
たちいで
)
ました途端、プーッと吹込む一陣の風に誘われて
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
昨年の春から母親が
癆症
(
ろうしょう
)
で、腰が抜けたので、とうとうこの川上の部落に落ちつく事になったが、丁度その時が適齢だったので、呼び出されて検査を受けると、美事に甲種で合格した。
いなか、の、じけん
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
わけを知らない人は
癆症
(
ろうしょう
)
であろうなどとも
噂
(
うわさ
)
していた。そのあいだに夏も過ぎ、秋が来て、旧暦では秋の終りという九月になった。行者に教えられた百日目は九月十二日に相当するのであった。
影を踏まれた女
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
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去年も城内で犯人が殺されると、
癆症
(
ろうしょう
)
病みの人が彼の血を饅頭に
蘸
(
ひた
)
して食った。
狂人日記
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
伊勢屋の息子は五年がかりの
癆症
(
ろうしょう
)
がケロリと治って嫁を貰い、旗本三右衛門の奥方は、江戸中の医者に見放された眼病が平癒し、小梅の豪農小兵衛は、気が触れてあらぬ事を口走ったのが
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
癆症
(
ろうしょう
)
だか恋患いだか知らないが、青くてヒョロ/\して居るくせに、どう渡りをつけたか、江島屋の下女のお六を手に入れ、毎日一本ずつ、一年も続けて恋文を取次がせるんだそうですよ
銭形平次捕物控:238 恋患い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
事情が事情だったので自殺だという噂も立ちましたが、事実はひどい
懊悩
(
おうのう
)
と貧苦のために、
癆症
(
ろうしょう
)
が重くなり“帰った夫”を迎えて、もう一度以前の平和な生活を楽しむことも出来なかったのです。
銭形平次捕物控:143 仏喜三郎
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
可哀想に、あんなに綺麗で優しかった、お浜が——医者は
癆症
(
ろうしょう
)
だと申しますが、
咳
(
せき
)
一つしない癆症というものがあるでしょうか、癆症は
癆咳
(
ろうがい
)
と申しまして、咳のひどい病気だと聴いておりますのに。
銭形平次捕物控:168 詭計の豆
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
癆
漢検1級
部首:⽧
17画
症
常用漢字
中学
部首:⽧
10画
“癆”で始まる語句
癆咳
癆痎
癆
癆咳病
癆性
癆核
癆瘵
癆痎必治