田舎城いなかじろ)” の例文
「……ま、ご意見もいろいろ出たが、こんどは一州一県の田舎城いなかじろみつぶすのとは、ちとわけが違う。熟慮を要そう。慎重がる」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「やあ。ようぞ遠くを。——景勝です。ごあいさつは、後として、いざ、いぶせき田舎城いなかじろながら」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
呂布は、心とは反対に、再三辞退したが、玄徳は、彼の野望を満足さすべく、身を退いて、小沛の田舎城いなかじろにひき籠ってしまった。そしてしきりと憤慨する左右の者をなだめて、こういった。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「だからいくさは嫌いだといわれても、世のしずまるまでは、ぜひもない。信長公に御不慮でもなければ、わしも今頃は、どこぞ田舎城いなかじろの一つにでも納まって、そもじの側に、気のすむようにいてやれたろうに」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
新野は一地方の田舎城いなかじろである。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)