生態せいたい)” の例文
今日南極なんきょくの氷山や雪原の中に沢山の大きなペンギン鳥の集団しゅうだんがある。その生態せいたいは大抵の動物学者もよくは知らないが、それをカメラが追求ついきゅうして実写したのである。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
とにかく深山学士研究室の襲撃事件によりて、赤外線男の生態せいたいというものが、大分はっきりしてきた。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
もちろん生態せいたいの変化には何の脈絡みゃくらくもなく、どこか間がぬけたところがあるかと思うと、まるで子供とは思われぬような、だしぬけに一変する微妙びみょうな神経の動きにドギマギすることがあった。
親馬鹿入堂記 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
茶の後、直ぐ川を渡って針葉樹林の生態せいたいを見に行く。はばけん程の急流に、ならの大木が倒れて自然に橋をなして居る。幹を踏み、こずえを踏み、終に枝を踏む軽業かるわざ、幸に関翁も妻も事なく渡った。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
と、その二人は、岩頭からのりだすようにして、しきりに恐竜の生態せいたいを映画にとっていて、ほかのことはぜんぜん注意をはらっていなかった。それもむりではない。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)