瓦屋かわらや)” の例文
もう少し先へ行くと都鳥みやこどりと、瓦屋かわらやが名物ですが、この辺はまだ町の中で、岸にはいろいろのゴミが、雪と一緒に川面かわもを埋めております。
それで本家とか旧家きゅうかとかいうような、もっとも念入りの葺きかたをしていた家から、最初にこれをやめて瓦屋かわらやになろうとしている。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
小梅の勝んべも怒るとつらがあんな色になりやがった、……あの眼だまは誰に似てるかしらん、瓦屋かわらやの熊だろうか。
桑の木物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
官庁や、大寺が、にょっきりにょっきり、立っている外は、貴族の屋敷が、処々むやみに場をとって、その相間相間に、板屋や瓦屋かわらやが、交りまじりに続いている。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
これを渡りてまた林の間を行けばたちまち町の中ほどにず、こは都にて開かるる洋画展覧会などの出品のうちにてよく見受くる田舎町いなかまちの一つなれば、茅屋くさや瓦屋かわらやと打ちまじりたる
わかれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
カラヤがもし瓦屋かわらやならば、これは新らしい発生である。その次には石垣の本島から南へかけて
そうしてまだ昔の瓦屋かわらやのじぶんの安全感だけが、のこっているらしいのは少々あぶない。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)