瑠璃紺るりこん)” の例文
マウパツサンの墓が見附からないので広い墓地を彷徨うろついて探して居ると、瑠璃紺るりこんの皺だらけのマントウをはふつた老人としよりの墓番が一人通つたので呼留よびとめて問うた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
天守閣のかすかに黄に輝き残る白堊はくあ。そうして大江のにおい深い色の推移、それが同じく緋となり、褪紅となり、やわらかな乳酪にゅうらく色となり、藤紫となり、瑠璃紺るりこんうわびかりとなった。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
そののちも人を頼んで詮議をさせたのですが、とうとう判らなかったのです、その玉は木の葉の形をした瑠璃紺るりこんの石です、その玉を手に入れた私は何をしたのでしょう、私には金がたくさんあったので
港の妖婦 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)