珈琲カッフェー)” の例文
日課をへてのちは、学校の向ひなる、「カッフェエ・ミネルワ」といふ店に入りて、珈琲カッフェーのみ、酒くみかはしなどして、おもひおもひのたわぶれす。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
食終りてつぎの間にいづれば、ここはちひさき座敷ザロンめきたるところにて、軟き椅子いす、「ゾファ」などのあしきはめて短きをおほくゑたり。ここにて珈琲カッフェー饗応もてなしあり。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
朝の珈琲カッフェー果つれば、彼は温習おんしゅうき、さらぬ日には家にとどまりて、余はキョオニヒ街の間口せまく奥行のみいと長き休息所に赴き、あらゆる新聞を読み、鉛筆取り出でてかれこれと材料を集む。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)